20170527布施祐仁講演 ジャーナリストの布施祐仁(ふせ・ゆうじん)さんの講演会が27日夜、旭川市で開かれた。若者グループ「AFMA.」の主催。自衛隊の南スーダンPKOの日報隠ぺい問題で、最初に政府に情報開示を請求し、問題発覚の端緒をつくった人である。

 講演を聴いて、ジャーナリストとしての鋭い洞察力と強い正義感を感じた。講演内容は省くが、最後の質疑応答で、私の質問に対する布施さんの言葉が忘れられない。

 私は「今の政治状況に関して、安倍政権以外の政治勢力についてどう見ているか」と質問した。布施さんは「2015年の安保法制成立を機に、野党は変わったと感じている。民進党、共産党などが結集を目指す動きは、それ以前と大きく違い、評価できる」と述べた。そのうえで「野党はもっと国民を信じてほしい」と語ったのだ。

 野党の側は国民に「自分たちを信用して下さい」と呼びかけているが、その野党自身は国民をとことん信じているのか、という問いかけだ。

 布施さんは講演の中で、有事の際の自衛隊の危害射撃が正当防衛に限られていることなど、日本の今の法律が世界の紛争現場で通用しないことを指摘した。それが自衛隊員をいっそう危険にさらし、隊員の命に誰が責任を持つのかあいまいなままだと強調した。そして、平和運動(野党を含めて)の側も、現行法制の不備を議論することが国民を改憲の方向に向かわせないかと恐れるあまり、突っ込んだ議論を避けてきた面があったという。
 しかし、国民はばかではない。

20170527布施祐仁講演2布施さんは、暴走する安倍政権は国民をなめていると強く批判する一方、「野党はもっと国民を信じて」という言葉で、野党の方も国民との距離を縮めようという努力が足りないのではないか、と言ったのだ。

 国民にとって大切な議論をタブー視していないか。支援団体との狭い世界に閉じこもっていないか。より幅広い人たちの代弁者になろうという意欲や努力が不足していないか――。考えさせられる講演会だった。
写真上・下=講演する布施祐仁さん。5月27日、旭川市のときわ市民ホールで。あずま直人撮影)