旭川で地道に自然保護に取り組んでいるグループ「常磐公園の自然を考えるなかま」の会報に寄稿する機会をいただきました。「ときわ通信」(第3号、5月16日付)です。本欄に転載することも快諾して下さいました。

201705ときわ通信表紙 

 「常磐公園」が私の出発点  東 直人



 勤めていた新聞社の転勤で本州から旭川に来て5年半が過ぎました。この間に会社を早期退職し、この町に家族と移住しました。振り返ると、常磐公園の自然を考える活動こそ、私が移住を決意した最初のきっかけでした。

 5年半前、記者として旭川で最初に書いた記事が、常磐公園の改修問題でした。樹木の大量伐採に対し、市民が立ち上がったという記事です。この問題を追いかけるうちに、私の中に新しい気持ちが湧いてきました。201704常磐公園

旭川は東京と違って家族と充実した暮らしができる適正規模の町であり、常磐公園は生活を豊かにしてくれる都市中心部の貴重な自然です。そのあり方を巡って、市民と行政が対立するのは、なんて不幸なことか。

旭川には、こうした対立の構図がほかにいくつもあることを知りました。それらの解決に、腰を据えて貢献できないか。こう考えるようになりました。

常磐公園との出会いを出発点に、紆余曲折を経て、いま市議会議員を務めさせていただいています。市役所の仕事をすぐ横でチェックする立場です。2年やってみて感じるのは、職員の中には公共のために働こうという志を持ち、市民の意見を汲み取ろうというマインドの人がけっこういることです。ですが、硬直した官僚システムの中で埋没しています。

先日、札幌でイギリス映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観ました。社会の底辺で生き、生活保護や失業手当を必要とする人たちが、役所の非人間的な対応に阻まれる様子を描いた社会派映画です。人間味のある職員も登場しますが、理解のない上司に押しつぶされます。旭川で起きていることと、根っこは同じです。201705常磐通信本文

「官僚システムの矛盾」は、どの国にもある課題です。草の根の市民の方々や、役所の中の志ある職員と手を組み、この旭川で解を探っていこうと思います。